乳癌の治療や手術と費用 治るまでの期間

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癌治療は精神的な不安だけでなく、これまでの社会生活や経済面にも大きな変化をもたらします。

ここでは、乳がん治療にはどのようなものがあるのか?じっさい治療にかかる期間や費用などについてお話しします。

乳癌の治療法について

乳癌の治療法には手術療法・放射線療法・薬物療法の3つがベースにあげられます。

癌の部分に対しての治療法は手術療法と放射線療法になります。癌は乳房から離れた場所でも、リンパや血液にのって転移の可能性があります。

そのため全身的に行う治療法として抗がん剤などの薬物療法があります。

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乳癌を手術で治療する

癌を切除するための手術方法には、乳房部分切除術(乳房温存術)と乳房切除術(全摘出術)の2つがあげられます。

乳房部分切除術とは

癌とその周りの組織を取り除き、乳房を温存する方法です。早期がんでは、まず一番に考えられる手術方法です。

この手術を適応できるのは、しこりの大きさが3㎝以下で多発していない、手術後に放射線療法が受けることが可能な場合です。

部分切除の場合、放射線療法も併用して行うことが基本になります。

しこりが3㎝以下という基準ですが、手術後乳房が美容上満足できるようにと決められた基準になります。

もし乳房が大きければ、3㎝以上でも温存手術が可能な場合がありますし、逆に乳房が小さい場合は適切でない場合もあります。

乳房切除術とは

乳房全摘出術とも言われ、乳房全体を摘出する方法です。

しこりが3㎝以上で、手術前に薬物療法を行っても癌が小さくならない、大きさに関わらずしこりが複数ある。

妊娠中などで手術後に放射線療法が行えない場合や、早期がん(ステージ0)であっても癌の広がりが大きいと言った場合に適応されます。

リンパ節に転移がなければ切除しませんが、転移がみつかれば程度に合わせて切除することになります。

リンパ節を切除することで、リンパ節浮腫という後遺症がおこることがあります。手術をした方の腕が、むくんだりだるくなったりする症状です。

腕が上がらないなど日常生活にも差し支えることもありますので、現在ではできる限りわきの下のリンパ節を残すような流れになっています。

一般的にはセンチネルリンパ節生検(SLNB)という方法でリンパ転移の有無を判断します。

技術も日々進歩しており、乳房再建術によってきれいに乳房を再建できるようにもなっているので、安心して受けることができるでしょう。

放射線療法による治療

放射線療法は、高エネルギーX線などの放射線によって、癌細胞を死滅させ増殖するのを阻止する治療法になります。

乳房部分切除(乳房温存術)が行われた場合は、セットで放射線療法が行われます。

月曜日から金曜日までの週5日、これを5週間続ける分割照射が代表的な方法としてあげられます。

また、癌が大きい場合やリンパ節に転移が多い(4個以上)場合などは再発予防のために乳房を全摘出した後に放射線療法を行います。

薬物療法による治療

薬物療法は癌の再発予防目的に使われます。

化学療法

いわゆる抗がん剤を使用した治療法です。薬剤を用いて、癌を死滅させ増殖を阻止する治療法になります。

乳がんは、固形の癌の中でも抗がん剤の効果が比較的期待できる癌と言われていますが、抗がん剤は作用が強く正常な細胞まで攻撃してしまいます。

そのため、吐気や骨髄抑制などの副作用も起こってきます。

抗がん剤治療には、その効果を上げる目的で数種類を組み合わせて使う「多剤併用療法」という方法があり、乳がんの場合通常アントラサイクリン系の抗がん剤を含む多剤併用療法がよく行われます。

エストロゲン受容体・プロゲステロン受容体・HER2すべてが陰性タイプのトリプルネガティブタイプの乳がんの人には、ホルモン治療や分子標準療法の効果があまり期待できないと言われています。

抗がん剤が他のタイプより効きやすいとされるため、このタイプでは第一選択に上げられる治療法です。

ホルモン療法(内分泌療法)

ホルモン受容体が陽性の乳がんは、エストロゲンを取り込んで刺激を受けて増殖していきます。そこでエストロゲンの分泌を抑制するなど、ホルモン製剤を使ってがんの増殖を抑えるのです。

抗エストロゲン剤・LH-RHアゴニスト製剤・アロマターゼ阻害薬があり、閉経前後で使い分けられています。

ホルモン療法は化学療法に比べて副作用が少なく、投与期間が終わってもその効果が期待できます。ただし治療期間が長く、治療中は妊娠できません。

ホルモン療法はホルモン受容体が陽性のタイプの乳がん(ルミナルAタイプ・ルミナルBタイプ)の方を対象に行われます。

分子標的治療

がん細胞の特有な分子を狙い撃ちしてがんを抑える治療法です。副作用も少ないとされていますが、発熱や心機能低下がみられることもあります。

分子標的治療薬にはトラスツズマブやペルツズマブ、ラパチニブなどがあり、HER2陽性の人に効果があります。HER2タンパクを攻撃し、癌の増殖を抑えます。

乳癌は切らないでも治療できる?

乳癌の切らない治療法として「ラジオ波熱焼灼療法」「FUS(MRIガイド下集束超音波療法)」「冷凍凝固療法」などがあります。

中でも「ラジオ波熱焼灼療法」が話題になっています。

乳癌に直接針を刺して数分間通電させてがん細胞を死滅させる治療方法です。

ただ再発する患者さんが増えているということで、2010年に日本乳癌学会がこの治療法は臨床試験の目的以外で行わないようにと注意喚起しました。

まだ実績の浅い治療法で、これから検討の必要がある治療法といえるかもしれません。

切らなくてもいい治療法というだけでなく、現段階では再発のリスクが問題になっているという事を踏まえて、担当医師とよく相談したうえで治療を受けましょう。

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乳癌を治療するにはどれくらいの期間がかかる?

手術の方法や病院などによっても違いますが、乳がんの手術で入院する期間は一週間から10日程度が目安になります。

退院後、抗がん剤治療や放射線療法を通院しながら行っていきます。遠方などで入院が必要であれば入院して行われます。

手術+放射線療法で大体2か月程度。抗がん剤であれば、3~4週間おきに4~6サイクル行われますので、抗がん剤だけでも数か月から半年はかかるということになります。

手術や放射線治療も加えると7~8か月程度かかってしまうのです。ホルモン療法や分子標的治療を併用するとなると、さらに期間は長くなります。

乳癌治療にかかる費用(保険などはあるのか?)

先進医療になると自費になりますが、通常の治療は保険適応になります。

実際がんになると休職したり経済的にも大変になります。

一例として、手術に放射線療法、抗がん剤治療・ホルモン療法・分子標的療法すべて行ったとするとその費用は200万前後になります。

高額医療費制度などの支援制度を活用するなどして、できるだけ治療に専念できるようにしましょう。

また、がん保険などに加入している方は一度内容を確認しておくと安心です。

各治療費の目安

病状や病院によって差はありますが、手術入院1~2週間で20万円程度必要になります(保険適応で3割負担、差額ベット代含まず)

放射線治療を25回行った場合、保険適応で十数万円から20万円前後。追加で照射があればその分増えます。

抗がん剤治療の場合、一回当たりの抗がん剤1万円程度から数万円。抗がん剤によって金額の差が大きく行われる回数も違いますので、吐気止めなどを含め4万程度から20万円程度と幅があります。

身長や体重によっても使用する薬剤量が違うので費用も違ってきます。

ホルモン剤治療は2年から5年程の治療期間が必要になります。LH-RHアゴニスト政治は月4週に1回投与で1万5千円程度。

アロマターゼ阻害薬は5000~6000円/月、抗エストロゲン剤数千円から4000円程度/月が目安です。

分子標的治療の費用

トラスツズマブは通常3週おきに1年投与します。平均してひと月あたり6万円程度として、保険適応で年間72万円程度が必要になります。

体重によって、使用する薬剤量が違いますので金額も変わります。

公的保険に加入していれば、高額療養費制度があるのでかなり負担が軽減されます。

これまでは、一旦立て替えをして後で戻ってくる仕組みでしたが、現在では、限度額適用認定証の交付を受けておけば1か月の支払いが自己負担限度額までで済みます。

手術法・治療期間や費用などは癌の進行度合いによっても違ってきます。病院によってできる治療法も変わってきますので、セカンドオピニオンなどを含めて考えていくとも一つの方法です。

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